企画、プロデュース
イニシャル及びランニング時の予算管理
コーディネイション、調達
オリジナル商品のデザイン
Planning, Produce, Direction & Select: Kenichi Otani
Select & Corresponding: Shino Kimiya
Graphic design & Product design: Kenichi Otani
当該プロジェクトsuki1038は、高額商品として提供されることが条件であった。高額といっても京都における一棟貸しの宿では最高額のランク、いわゆるフルホスピタリティを叶えるインターナショナルなラグジュアリーホテルの部屋としても最も高額のランクの部屋と同じ程度の高額だ。
世界中を旅する中で京都の魅力にほだされた人、日本や京都の文化慣習に興味を持つ人、何度も京都に来ているが通り一遍の宿では満足できなくなった人、といった人の中でホテルサービスが用意されていない高額宿ではあるが泊まってみたい、と思ってくれる人をターゲットと設定した。
単に “富裕層” というわけではなく、そんな事情を抱えた人たちをターゲットとした。
全室で3室しか提供せず、個人の嗜好の深さや方位を意味する“すき・数寄”を名前に冠するsuki1038プロジェクトにおいて、重要なコンセプトはいくつかある。
suki1038のコンセプトを象徴するFFEの一つ。
一膳に必要な全ての用途の食器がスタッキングされて、両手に収まるサイズとなる。
Minimal & All.
禅宗の修行僧が “食事も修行”、として、音も立てず、無駄な動きもせず、一滴一粒も残すことなく食し、且つ、極わずかの水で洗い、最小限のスペースに保管する、という食器。 日本の木生地、日本の漆、日本の職人によって製作された美しい塗りの椀のセット。
富裕層だから知っている、というものではない。知っている人がいるとしても、実際に使用した経験のある人は少ないだろう。
高額か否かというよりも、崇高な精神性を感じることができる。
日本人の、カタチ(形、型)や美意識をもって精神性を高めていく方法を実感して欲しい。
photo by OffceRansack
入室するとすぐに目に入るように、そして、その奥にある次の展開の空間が垣間見えるように、ウェルカムのドリンクとフードを収めるショーケースをデザインした。置物ではなく、建物に備え付けられた什器として。建物そのものが“おもてなし”の装置であるように。
photo by Nacasa & Partners Inc.
photo by Nacasa & Partners Inc.
ウェルカムドリンクは、フルボトルのワイン。ワインを冷やすためのシャンパンクーラーは、お馴染みの『中川木工芸』の尾州檜製。
今や指物のシャンパンクーラーは、世に幾つか存在するが、あのモエによって、あのドンペリのシャンパンクーラーとして公認されたということで、マスメディアや海外の高級店でも見かけることがある中川木工芸のものを選択した。もはや数ヶ月待ちの商品となってしまったが、京都独特の“口利き”を活かして手に入れることが出来た。
photo by OffceRansack
小さいタイプのクーラーなので、グラスとともに部屋中どこへでも持ち込んで、お気に入りの場所を見つけて、まずは、旅の疲れを流して欲しい。
もちろん、バスルームでも。バスタブのエプロン(縁)は、クーラーとグラスを置けるように視界が広がる方向を広くしてあるのだから。
photo by Nacasa & Partners Inc.
ウェルカムのフードは、京都で130年以上もの老舗の御菓子司『塩芳軒』のご子息という肩書きを持ち、老舗の和菓子の技術と文化を継承しながらも、独自の現代スタイルで和菓子を提案している『聚洸』の上生菓子。
それを載せるトレイは、既製品に私たちのデザインオーダーを施した吉野杉のトレイ。
高台が高く、高台と天板部分が逆勾配になっている。イメージは三宝。月見の時に団子をスタッキングディスプレイされているシーンで知っている人が多いだろう。
神様とは言わずとも、お客様を高く敬い、存分に京都を、日本を遊(アソ)んで欲しい気持ちを込めた。
photo by OffceRansack
手前の蓮弁の形をした杉の皿は、作家、紀平佳丈氏のもの。ギャラリーで偶然出くわして私物も含めて購入した。鉄媒染の侘びた皿。ウェルカムタワーの黒のステンレススチールとクリアガラスとのハイブリッドの相性が良い。
クロモジを添えて。趣向によってはシロモジ、アオモジも使い分ければ数寄なのだろう。
photo by OffceRansack
宿泊施設の企画を行う際にいつの時代もキーの一つになり、話題の一つにもなるのがバスアメニティである。20年以上も前からトレンドのブランドが移り変わっている。宿泊上級者には、もはやどのブランドをもってきても、したり顔でがっかりされる可能性が高い。
今回選択したのは、パリの老舗ブランドである『ラ・ビオステティーク』のもの。
パリは京都市とも親交が深く、なにより、バスアメニティがファッション・コンシャスからメディカル・コンシャスがトレンドの近年にあって、名前の由来とともに、“生物学と美学を研究する”ことを掲げていること、日本未上陸であることが決め手となった。
本国と日本のエージェントの方達に、suki1038のコンセプトへの深い理解と共感を得られたことで、本来はサロンでの専売にもかかわらず、ホテルへの導入として日本初上陸の機会を頂いた。
photo by OffceRansack
近年、海の京都、として京都府の北部、丹後地方の話題が視界に入ることが多くなった。有名なファッションデザイナーが素材として名産である絹織物を使用し、東京資本のレストランや若者達のデザインコンシャスな宿が台頭してきている。
私が幼少期に過ごしたエリアでもある。
浦島太郎伝説、古代の遺跡、透明度の高い海、といった、京都でも異色の魅力をたたえている。
そんな魅力に気づくきっかけの一つになれば、という想いを込めて、丹後織物工業組合がメーカーとなり、 “丹後ちりめん”から抽出された成分から開発したスキンケア商品『きぬもよふ』を、女性の宿泊者用に用意した。
photo by OffceRansack
近代イギリスの装飾タイルを模倣したもので大正初期から日本で生産された多彩色レリーフ・タイルを指す。名前は、イタリアやスペインで15-16世紀に生産されていた錫釉色絵陶器である、マジョルカ焼きに由来すると言われている。
昭和初期までは、日本でも大量に生産され、海外の富裕層たちにも人気があり、明治以降、近代化に積極的であった京都では、銭湯にそのタイルを導入することが流行ったという。
京都西陣北部にある船岡温泉(銭湯)では、今なお脱衣所や浴室の壁にふんだんにこのマジョルカタイルが施されているのを見ることが出来る。
photo by Nacasa & Partners Inc.
photo by Nacasa & Partners Inc.
バスローブは、 『ONI&Science』のもの。ホテル用のバスローブとして開発した私たちのオリジナルブランドの商品である。
“ONI”は、優れたもの、超絶な技術、異端なもの、そして、科学で解明できないもの、の意味を込め、 “Science”は、理にかなっているもの、先端なもの、科学で解明できるもの、の意味を込めた。
“ONI”は“Science”の補集合。両方で全集合として、すべての分野に対して、私たちの美意識と哲学をもってデザインアプローチしていくブランドだ。
その第一弾が、麻100%のバスローブ。自然素材の吸汗速乾素材で、ウエイトを高くすることで季節を問わず使用できるようにした。浴衣の着心地と様子であるが、チェスターコートのパターンを一部採り入れている。そのため、シャツの上に羽織って出かけることも出来る。もちろん、風呂上がりに素肌に羽織ってもらっても良い。綿のバスローブに比較して、格段に乾きが早いことを実感できるはずだ。色は墨色一色。洗濯や光による退色を前提として狙った色だ。
もちろん、日本人が最も得意とし、独自の美意識をそこに見出している黒は、
“ONI&Science”のコンセプトカラーでもある。
日本人の黒色の瞳に起因すると言われる、日本人の深い黒色の扱い方は、海外からも手放しで敬意を払われていることも、今までの海外企業、海外のブランドとの仕事を通じて実感している。
photo by OffceRansack
服を脱ぎ着したいという動機が生まれるタイミングの場所、あらゆる要所要所の壁に真鍮製の逆U字フックを備えた。
戸外から室内に入る場所では帽子やコート、室内では主にバスローブをかけるため。帽子や、ハンガーのサイズフィッティングが難しいコート、柔らかくてある一定の重量のあるバスローブには、上部が丸まっているフックであると型崩れをすることなく掛けることができる。
バトラーが服を預かるように在る、おもてなしのデザイン。
photo by OffceRansack
photo by Nacasa & Partners Inc.
英国の建築家、Nigel Coatesのデザインによるトルソーを、きっと誰かが照明器具へとリデザインしたもの。
80年代にデザイン、製作されたものだろうと思う。彼の建築作品は日本でもいくつか見ることが出来る。東京ではウォールビル(西麻布)、北海道ではノアの箱船(札幌)が現存している。残ってはいないが、個人的には、小樽ホテル(小樽)が現代のリノベーションのお手本とも言える建築内装で、憧れていたものだ。
英国人らしく、伝統と歴史を深く理解し、それらに敬意を払いながら、現代の要素を取り込むデザイン手法は、suki1038とも、京都の本性とも共鳴する。
前庭から杉皮葺の壁がベッドスタイルの寝室に侵入してくる、その杉皮を背負った場所にセットした。トムディクソンのグラスで編んだSチェアを思い出させる。いつの時代も、東洋は西洋のジョーカーで、西洋は東洋の憧れである。
photo by Nacasa & Partners Inc.
photo by Nacasa & Partners Inc.
ホテルに宿泊して、感嘆の声を上げる、或いは溶けるようにうっとりする、瞬間があるとすれば、ベッドに入った時もその一瞬ではないだろうか。
まさにノンヴァーヴァル・コミュニケーションを通い合わせる絶好のチャンスである。 私が今まで宿泊してきた国内外のホテルの中でその瞬間があったホテルのマットレスのレイヤリングを参考にした。
マットレスはシーリーと満足のいくまで考察を重ね、実際に試し、独自のレイヤリングを見つけ出すことで目的とする効果を実現できた。肝はその上のパッドだ。厚さ100mmのフェザーパッドをマットレスの上のレイヤーに重ねることで、ベッドに入った最初の瞬間の“おもてなし”を仕掛けた。
きっと、一瞬時間の感覚が無くなるほどにベッドの深くに落ちていき、良いところで浮遊している感覚を覚えられるだろう。このタイミングであらためて、 “おこしやす。おつかれさまでした” をデザインした。
photo by Nacasa & Partners Inc.
ベッドの上に2つ並べられたクッションは、いわゆる、ターンダウンサービス時にホテルから宿泊者に対するメッセージが載せられたクッションやカードと同じ機能を持たせた。
私たちのデザインしたもの。
各部屋のプロジェクトコード(※1)にもなっている、雲、雨、雪、と縞模様、そして、suki1038のロゴマークがプリントされている。
デフォルトでは横縞(ボーダー)でアルファベットの筆記体のようなロゴマークが(正規に)見えているが、それを90度回転させて縦縞にすると、ロゴマークに仕掛けられたデザイン(※2)である 平仮名の“すき”の文字が見えてくる仕掛けを施した。ロゴマークの仕掛けを明文化することなく、宿泊者が偶然に発見することを狙った。そのほうが驚きが新鮮だ。
縞模様は、島模様、海外の模様、とも言われる。海外の文化が大いに紹介された中世後期京都に想いを馳せてみた。
※1. suki.KMOのプロジェクトコードを参照
※2. suki.グラフィックのロゴマークを参照
photo by Nacasa & Partners Inc.
ベッドサイドの照明には難儀した。
用途としては、ベッドに横たわって、本を読む、PCを操作する、就寝前、起床直後のわずかな明かり。
このベッドへの横たわり方、横たわったときの本やPCの向き、つまり、仰向けで見るのか、うつ伏せでみるのか、そして、明かりを少し点けて眠りたい人には、目に直に光が入らないように、というコンセプトがあり、それらすべてを達成させる照明のデザインを探る必要がある。
結局、使用姿勢にはヴァリエーションがありすぎて、備え付けの照明では達成できず、使用者が自分の使い勝手の良い場所に移動できるもの、且つ、調光が効くものというコンセプトに落ち着いた。
さらにモバイル性を高くして充電式とすると、ベッドサイドテーブルにペットボトルの水等液体を置く場合には、漏電への対策として、電源コードと本体との結接点が床からなるべく上がっていること、というコンセプトも加わる。
結局、充電式のコンセプトまでは満たすものが見つからず、それ以外のコンセプトすべてを満足する商品を探した結果がこちらの『GIRAFFA(ジラファ)』。
移動できる軽さと持ちやすさ、タッチ式で調光はフルレンジ、ヘッドは360度回転し、高出力のLEDの光源を持つ。
充電式ではないが、ベッドサイドテーブルの下に備えられたコンセントから伸びた電源ケーブルはベッドの上まで十分届く長さがあり、使用姿勢の自由度は十分だ。
photo by Nacasa & Partners Inc.
災難続きだった長岡京から平安京に遷都する際に、和気清麻呂は京都を徹底的にロケハンし、当時の最先端技術である風水を隅々にまで採り入れた都市計画を施したという。
そのため、今でも京都には風水の仕掛けのあとが残っている。その一つが、北東の鬼門や南西の裏鬼門に猿と桃の置物を置く設えだ。猿と桃のモチーフはそのまま桃太郎の話とつながり、猿・鳥・犬のモチーフへとつながる。
中世京都に沖縄を中継ぎして海外文化を運んできたイギリス東インド会社。イギリスの国犬であるブルドッグ。
沖縄名護の市庁舎に見られる複数のシーサーで建物を護るように、この建物を鬼門除けの犬(ブルドッグ)が護る。ブルドッグは京都で、舞妓ちゃん達がファンデーションに使用する胡粉で作られる“おしろい”を全身に纏っている。
最後に、日本人としての民族を証かすように、縄文のトライバルグラフィックをお尻や足に施した。万全のコンセプトをもって、ペイントを日本画のアーティストである高橋夕香氏にお願いした。外国人に評判の高いプロップとなった。
photo by Nacasa & Partners Inc.
photo by Nacasa & Partners Inc.
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一筋の折り目がピシリと入ることや、何度も手を重ねて祈るように作られるそれは、日本人の礼儀を表現しているようだ。
また、折りたたむ、という行為は、狭いスペースを簡潔に、美しく活用させる、 という日本の環境と精神性から生まれたものだが、今では、限られたスペースにある一定の機能を搭載せねばならない宇宙開発に活用されるようになった。
日本のありふれた慣習の中に、世界の未来を進めるヒントがある、という例の象徴的な一つであろう。
今では、世界的にアートとしても広まった折り紙のコンプレックスモデル(数学的に解釈した、複雑で、対象を具象的に表現したものが多い)を、日本の折り紙のアーティストに依頼した。
仕上げとモチーフは、胡粉ブルドッグと同じように、胡粉を全面に纏わせた犬、鳥(キジ)、猿、を用意した。
photo by Nacasa & Partners Inc.
国宝に指定されている銀閣寺東求堂“同仁斎”の付書院のデスクトップを本歌とした。
現“同仁斎”のディスプレイは室町時代当時の再現をしているという。
書院らしく筆や墨、硯、水滴などがディスプレイされているのだが、現代では、ノートPC、書籍、文箱、ペーパーウエイト等をディスプレイしてみた。
左から、石元泰博の桂離宮の写真集に南部鉄器のアイアンブックエンド。京都北部綾部の名産・黒谷和紙の銀の文箱。ロイヤルコペンハーゲンのアンティークタイル3枚をペーパーウエイトにして。ワインボトルの形をした照明器具。ノートPC(私物)。生ガラスのペーパーウエイトは作家物。白磁赤絵の紅茶葉壺はフォートナム・アンド・メイソンのアンティーク。日本の神事・祭等で登場する神様・妖怪を写した写真集“YOKAI NO SHIMA”は仏の写真家シャルル・フレジェによる。岡本太郎が撮影した日本の民族写真集もフレジェに添えてある。ブックエンドは鉄の鋳物の万力。3枚目写真でチェスターフィールドのソファ上のハードカバーの本2冊はロンドン留学経験のある夏目漱石の“明暗”と“道草”、京都府出身の津田青楓装丁による復刻初版本を選んだ。
photo by OffceRansack
photo by Nacasa & Partners Inc.
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当初は、急須で淹れるオペレーションを提案したが、もっと簡易なオペレーションにしてほしい、茶葉を入れる缶も盗まれる、という要望により、ティーバッグを、持ち帰って頂いても良い缶に入れてサーブする、という形で落ち着いた。
茶葉は、創業当初から茶道三千家お家元に贔屓にされている日本茶専門店『柳桜園茶舗』の“かりがねほうじ茶”をテトラのティーバッグに詰めたもの。それをsuki1038用に用意して頂いたラベルとともに缶に入れた。
特別感と簡易性、コスト感を達成しながら安定した提供を保証できるラインを、店主と話し会いながら決定した。
すっきりとした上品な香りと香ばしい味を味わってほしい。
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日本橋『江戸屋』の手植えの花馬毛のブラシ。
熟練した職人の手により一穴一穴に毛を植え込んで作られるため生産数量が少なく、手に入りにくい。花馬毛は、馬のたてがみを使用したやわらかいブラシ。
寺社仏閣等、土や砂利の上を歩くことが多い京都の旅で、靴にかぶってしまったホコリを払うのにちょうどよい。クローゼットには、デリケートな生地にも使用できる洋服ブラシも用意した。
靴も洋服もサッとブラッシングするだけで気分を変えて出かけられるものである。
長旅ではいろんなシーンが想定され、靴も種類も多くなろうというもの。一目で見てわかるように、それが楽しいように、スラントした棚のシューズボックス。
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suki1038の象徴的な家具である、ドレスルームのクローゼット。
二つの大きな特徴がある。一つはスーツケースを閉じたままでも、180度開いたままでも、ホールで収められる引き出しを2段設けたこと。もう一つは、とりあえずポンと置きサッと取り出すことができるスペースを“キャッシュ”として、リングやサングラス、コイン等小物を収めるトレーと、コンビニエンスストアや土産物屋のショッパーを収めるトレーをそれぞれ1段ずつ、計2段設けられていることである。
その小物用のキャッシュトレーには、ネックレス等、長物(ながもの)のアクセサリーを掛けるためのツリーをアンティークのものから選んだ。
せっかくの旅行で、お気に入りのアクセサリーが絡まってしまったら、気分も落ち込んでしまう。
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photo by Nacasa & Partners Inc.
洗面アメニティのセットを収めるためと、ウェルカムフードの上生菓子を載せるために、大きさの違う木のトレイを2種類デザインした。
洗面アメニティは、そのトレイの上に磁器や陶器、塗り、いろんな素材や形、大きさの豆皿や箸置きを載せてそこに収めた。
小さいスペースに細かいものをたくさん、バランスよく配置できるのは日本人の得意な感性の一つで、海外からも日本人独特であると好まれる美意識だ。
photo by OffceRansack
ヘアドライヤーは数年前からサロンで使用され、あてればあてるほどに髪が艶(つや)やかになると評判になっている『Bioprogramming』のレプロナイザー。この効果を求めてこれに代わるドライヤーは他にはない。
宿の備品として使用したい旨を正式に打診し、同ブランドの厳格な審査の末、suki1038のコンセプトとデザインをもって正式な承認を得ることが出来た。
このレプロナイザーを普段からお気に入りであれば、安心して髪を洗える。風呂上がりも一層気持ちが良くなるというものだろう。
乾いた髪にあてても効果が出るらしいので、朝、隣に置かれたラ・ビオステティークの『リーブイントリートメント』と共に楽しんでもよい。
写真の右壁側に専用レストとともに写っているのがそれだ。
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入浴の時間やバスルームという時間や空間にコンシャスしているため、濡れた体で使用することを前提として選定したFFEが多いのも特徴の一つだ。
ソファの生地やクッションは、雨に濡れても対処が可能な外部用、ポータブル用TVやスピーカーは防水機能を備えたもの、といった具合だ。
photo by Nacasa & Partners Inc.
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その他、ここに上げていないFFE&Props。冷蔵庫や掃除機といった家電、カトラリーや食器、ちゃぶ台や座布団のような和室の設え、タオルやベッドリネン、それらのクリーニング業社等、宿泊者の目に見えるものすべてのヴィジビリティを選定、調達、必要であればデザインし、それらをリピート運営できるよう取引先を紹介した。
商品の特性上、季節の変化や、運営主の都合や事情で変更されることは承知の上であるが、条件を満たした上で、コンセプトを踏襲したFFE&Propsはベストの納品が出来たはずだ。